ピーセンの青缶か、クッキーの青缶か。
いつもきょうだいげんかになったのを、
懐かしく思い出す。
そのたびに母が割って入り、
「はい、はんぶんこ」

おばあちゃんちにいくと、
おやつに「はい、ピーセン」。
やわらかくてさくさくで、
ほんのり塩味で飽きなくて。
おばあちゃんちはいつもピーセンの記憶につながっている。

父の東京の出張土産はいつもピーセン。
みんなで食べた後の青缶は、
母のお針箱になったり、私の宝物入れになったり。
エッフェル塔の形も外国へのあこがれも、
この缶からもらったもの。

復活したピーセンを見つけた時、
遠くなってしまったあのころが、ふわっと一気に甦ってきた。
それはまるでプルーストのプチット・マドレーヌ、
おばあちゃんちの茶の間のぬくもりやら
青缶にしまっておいた押し花やら。
沢山の想い出を連れてくる。

新しいピーセンは、新しい記憶をひきつれてきて、
私の中にまた新しく堆積していくのだろうか。